通夜の日に、皆が集まって思い出話をしながら盃を傾ける、あの場をここに。
想送録とは、オンライン上にあるお別れ会の場です。
そのための機能に特化したwebサイトを一つご用意いたします。
想いを込めて送り出した記録となるもの、という意味で想送録と名付けました。
昨今は経済的な理由や高齢化などから、近親者のみで行う家族葬は6割、直葬が2割を超えると言われています。
確かに、葬儀にかかる費用は下がり、儀式性やせわしさの中で十分なお別れができないといったことは減ったかもしれません。
しかしながら、故人とお付き合いのあった人達はやはり、最後のお別れの機会が欲しいものです。故人が作り上げてきた、故人を中心とした人間関係のコミュニティが一堂に集う機会はそれが最後だからです。
私たちは今、故人を送り出す上で幾つかの選択肢を持つようになりました。しかし、人が集い思いを共有する、そうした機会を失いつつあるのではないでしょうか。
せめてインターネットの中でそれができないか、と考えたのが想送録です。
私自身も葬儀という儀式そのものをオンラインで行うことには抵抗があります。
ただ、昨今の人間関係の生まれ方や育ち方、またつながり方を考えた結果、こうした告知やお別れの場をネット上に作ることには意味があると考えました。
もちろん、こうしたサービスは不謹慎だとお考えになる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、体調が悪かったり高齢だったり、あるいは居住地が海外など遠方だったり、様々な要因から参列が難しい人たちもいらっしゃいます。近頃は年賀状を出す機会も減り、メールアドレスやラインのアカウントは知っているけど住所を知らない、という関係も珍しいものではありません。
そうした方々も、インターネットに接続できる環境があればお別れを言える、そこには故人のたくさんの写真や動画があって、故人とのこれまでの様々な思い出に思いを馳せることができる、そうした場所があれば、たとえどこにいても、みな最後のお別れができるのです。通夜の日に、皆が集まって思い出話をしながら盃を傾ける、あの場を作りたいと思いました。
私が初めてのwebサイトを作ったのは90年代後半でした。
そして現在でも中小企業向けにそうしたサービスを行っており、私たちの主要なビジネスの一つとなっています。
しかし、インターネットは単に事業の集客や経済合理性の実現、学習のためだけに使うものではありません。
インターネットが人と人を程よくつなぐ、ある一時期そこに集う人たちの共有した想いを残す、これもインターネットの持つ側面です。
私自身も、まだ20代の妹を亡くした経験があります。
愛する家族が亡くなる悲しみは理解しています。
そして、そこから立ち直るにはたくさんの人々の助けや時間が必要なことも。
想送録がその為の一助となるよう祈っています。
Cross&Crown LLC 代表社員
増子 貴仁